八十年目の二・二六事件『英霊の聲 ー正気ー』

schedule

2/26 fri 19:30~
2/27 sat 14:00~ 19:00~
2/28 sun 12:00~ 17:00~

※2月26日は完売しました!ありがとうございました!※
※2月27日・14時の回は完売しました!ありがとうございました!※

pre-talk

only 2/26 fri 19:30
「三島由紀夫の二・二六事件」
鈴木邦男(文筆家)✖️髙木尋士(脚本家)

place

APOCシアター@千歳船橋

会場住所:東京都世田谷区桜丘5-47-4
電話番号:03-6321-7690

ticket

Price 3,000円(税込)

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stuff

企画:永友優
原作:三島由紀夫
作・演出:髙木尋士
演出助手:市川未来
照明:若林恒美
音響:大和二矢
美術・衣裳:鶴見直斗
ヘアメイク:木下恭子
宣伝美術:はんにゃ~
制作:オフィス再生
協力:鈴木邦男、伊藤正福、高橋あづさ、演団♠四輪季動、猫にご飯、CoRich、Confetti

cast

あべあゆみ磯崎いなほ・市川未来・北村丈・今野太郎・嶋木美羽・高田誠樹・鶴見直斗永友優・笛木敬司・弓取尚太 (50音順)

※出演を予定していました「齊藤ヒヨコ」は都合により、出演がなくなりました。楽しみにお待ちいただいておりましたお客様にはお詫び申し上げます。

comment

鈴木邦男(文筆家)

『維新に雪は似合うのだろうか』
平成二十八年は、二・二六事件から、ちょうど八十年目になる。日本は、この八十年間に驚くほどの展望をとげた。
大戦では世界を相手に戦い、敗戦の経験と高高度な経済成長。そして今、世界への貢献が求められている。教科書で習う歴史だ。
そんな日本人の行動と心は、突き詰めれば、二・二六事件から始まったと思う。
二・二六事件。雪、飛び散る血、止むに止まれず立ち上った青年将校。日本人が大好きな忠臣蔵だ、高倉健だ。美しく儚い日本人好みの物語だ。青年将校は、決起の後、敬礼をしたという。そんな姿を思い浮かべるだけで涙が出る。
演出家の髙木氏もそうだろうと思い、聞いてみた。そしたら、そうではない、と言った。この演劇では、殺された重臣たちの命も処刑された将校たちの命も同じ一つの命だと捉える、そう言っていた。二・二六事件を美化するつもりもないとも言っていた。では、天皇の立場に立つのかと聞けば、それも違うらしい。
髙木氏は、二・二六事件は、今も終わってないと言うのだ。どういうことか、それは、演劇を楽しみにして欲しいと言われた。
僕は以前、二・二六事件で決起した末松太平氏に話を聞いた。その時に末松氏が語った印象深い言葉がある。
「二・二六がどんなものだったのかというのは、生きてる連中が証明しなくてはならないわけですからね。二・二六を細かくひっかき回して、くさしたり、ほめたりしていても何にもならない。批判すべきところを大局から厳正に批判すべきですよ」(収録「証言・昭和維新運動」、現行タイトル「BEKIRAの淵から」)。
見沢知廉、ロシア革命、学生運動を舞台化してきた劇団再生は、二・二六事件をどう解釈するのだろうか。本番当日は、雪が降っているのではないだろうか。

伊藤正福(劇作家・北一輝研究)

『高木照準機関は二二六の夢を見るか』
大正から昭和の始めにかけて。諸事件の「黒幕」と畏れられた男がいた。「魔王」とも呼ばれた希代のカリスマ、北一輝だ。
肖像写真に見る、妖しく光る右目は義眼である。見えないほうの目で、このマレビトは何を幻視していたものか。
「時機尚早」と抑えていた。もはや誰にも止められないと悟ったとき、神仏の霊言と称して、こう認めることになる――
大義名分自ずと明らかなるは疑無し。他は末節に過ぎず。
昭和十一(一九三六)年、雪の帝都。長びく不況に加え、冷害による凶作で借金のかたに娘を売らなければならないほどの農村の疲弊を背景に、国を憂える青年将校たちが決起する。下士官兵千四百余りを率い、政府要人を襲撃、高橋是清蔵相ほか数名を殺傷し、永田町一帯を四日間にわたって占拠した、世に云う「二・二六事件」である。
事件最中の二月二十八日、北は中野桃園町の自宅にて憲兵隊の手で逮捕される。
遡って第一次大戦終結翌年の大正八(一九一九)年。上海にあった北が「日本の魂のドン底から覆して日本自らの革命に当ろう」と、四十日間の断食の末に書き上げた『日本改造法案』。やがて昭和維新を叫ぶ青年将校らのバイブルとなった。その『法案』巻一の註にいう――
「クーデターを保守専制のための権力濫用と速断する者は歴史を無視するものなり」
歴史に「if」はない。それでもやはり問うてみたくなる。
北一輝の『改造法案』なかりせば、あの事件は起こらなかったか。事件に連座して刑死しなかったとしたら「北一輝」の名は、日本近代史にこれほど深く刻まれることもなかったか、と。
決起した青年将校のこころはしかし、「一君万民」のあるべき国の姿だ。一方、北のそれは「国民の天皇」つまり天皇機関説は隠れもしない。そして「大本根柢の義に於て一点一画の訂正なし」とする、彼の「純正社会主義」。それゆえ、北は天皇主義の衣を被った共産主義だと言う者もいたくらいだ。
(なのにと、若者の純粋さに特別な想いを抱く三島由紀夫が、北一輝に嫉妬したとしても不思議はない。軍閥官僚財閥など特権層ではなく、すべての国民を大事にすべしという共通の思いで結ばれ、あの神話的な舞台で、華々しく舞い、見事に散ったのだから。ともあれ――。)
この事件を境に、大日本帝国は、運命の「大東亜戦争」にのめり込んでいくことになる。
「第二次世界大戦を極東に於いて点火せしむるなかれ」(「日米合同対支財団ノ提議」)
と北がもっとも恐れた日中戦争、そして米国との戦争。その敗北の結果、戦後の新しい憲法の中に『改造法案』の、――三島に言わせれば「七割方が皮肉にも実現された」。歴史のパラドクスというものだろうが、さて。
ポップな思想劇が身上の劇団「再生」だ。高木マジックの二二六は、どんな「if」の幻惑を見せてくれることだろうか。

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